2014年11月24日月曜日

ドイツのTierheim


ミュンヘンの地下鉄に乗ると、犬を連れて乗って来る人がちらほらいます。
イングリッシュガーデンに行くと、散歩をしている人もたくさん。

こちらに来る前から、ドイツでは犬や猫の殺処分がゼロで、
日本とは大きく異なる、というニュースを見聞きしていました。

ティアハイムと呼ばれる動物保護施設が各地にあり、
個人や企業からの寄付やボランティアで運営されているとのことで、
検索すると、立派な施設のレポートなどが出てきます。

隣町にも小規模なティアハイムがあり、年に2回のOpen Dayに行ってきました。
(引き取りを検討している個人であれば、事前に予約をして個別訪問ができますが、
この日は、誰でもwelcomeな開放日でした)

町外れの民家を改装した施設で、専任の職員はおらず、
30人くらいのボランティアスタッフが、当番制で朝と夜に来て、
餌や水のお世話、掃除をしたり、あとは見学希望者に対応しているとのことでした。

病気の猫の治療費の一部は行政から出ているとのことですが、
基本的には寄付と、ボランティアスタッフの労働力提供で賄っているそうです。

犬を保護するためには、下記のようないくつかの条件を満たす必要があるらしく、
そのティアハイムで保護されているのは、猫とウサギのみでした。

* 職員が24時間、勤務できる体制が整っていること
* 動物の保護・管理に関する資格保持者がいること
* 検疫や診察をできる設備があること

訪問時に保護されていたのは、猫が30匹くらいと、ウサギが6匹くらい。
感染症のため、両目を摘出してしまった子猫もいて、引き取り手を探すのは難しそうでした。

運営資金不足のため、暖房の設定温度を低めにしなければならない、といった職員のコメントや、
隅の方にクモの巣がかかっている小屋の様子は、
記事やサイトで紹介されているベルリンミュンヘンの大規模なティアハイムとは、かなり異なりました。

多くの視察レポートや記事で、立派なティアハイムのことが取り上げられていますが、
小規模なティアハイムの状況や課題についてもカバーされるようになると、
「ドイツの動物愛護は素晴らしい」という称賛だけでなく、
もう一歩進んだ議論ができるようになる気がしました。

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