南ドイツ、オーストリア、スイスなどでは、春から秋にかけてマダニ(Zecke)の活動が活発になります。草むらに生息しており、哺乳類から発せられる二酸化炭素の匂いや体温、体臭などに反応して、草の上などから生物の上に飛びうつり、吸血します。
イエダニの大きさは約0.2~0.4mmに比べ、マダニは未吸血の状態でも2~3mm、最大に血を吸っている状態では、通常の体重の100倍から200倍になります。
"マダニ" で検索すると、色々な画像が出てきます。
南ドイツでマダニが媒介する病気としては、ウイルス性の初夏脳髄膜炎(FSME)、細菌感染症としてライム病などが知られています。2014年にドイツでFSMEで病院にかかったのは265人、一方、年間のライム病患者は数万人を超えるという報道も。
FSMEは予防接種ワクチンがあり、この時期になると、自主的な接種が呼びかけられます。1年ごしで、計3回接種するのが推奨サイクルで、2回接種で1年、3回接種で3年程度の効果が期待できます。必須の予防接種ではないですが、学校でも接種を勧められることがあるそうです。発症してしまうと、抗生物質も効かず、対症療法になるとのこと。
ライム病は細菌性なので予防接種はなく、噛まれた後、もし発症してしまったら抗生物質を投与して治療するとのこと。ライム病は適切なタイミングで抗生物質を投与することが大切とのことですが、マダニに噛まれた後10年後に発症することもあり、症状が風邪と同じような感じなので、放置してしまって重症化することもある、との友人談。
身近で、危険性も高いということで、マダニの危険性を周知する情報サイトが開設されています。最も分かりやすいドメインを見てみると、
ドイツ http://www.zecken.de/ はPfizerが、オーストリア http://zecken.at/ はBaxterが運営しており、
スイス http://www.zecken.ch/ は、チューリッヒの病院か医師が作成しているようです。
ドイツとオーストリアのサイトを運営する製薬メーカーは、FSMEの予防ワクチンを製造・販売しています。自社のワクチンの売上につなげることも目的の一つなので、サイト内でもFSMEの怖さと予防接種の説明が充実しています。
こういうサイトは写真も掲載されていたり、説明文も分かりやすくて良いのですが、疾患の内容によっては、公的な情報源も含め、クロスチェックが望ましい気がします。
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