2015年6月21日日曜日

人気のパン屋と食品廃棄


日本に長期滞在するドイツ人に、最も食べたいドイツの食べ物は?と質問すると、「ドイツのパンが食べたい」と答える人が多い気がします。

海外に住む日本人が、ふっくら、もっちりした炊きたてのご飯が食べたい!と感じるのと同じように、ドイツ人は、しっかり、どっしりしたドイツのパンが食べたい!と感じるようです。

確かにパン屋は街中のあちこちにあり、近所にも徒歩圏内に4軒のパン屋があります。多くのお店が毎朝6時とか7時から営業していますが、開店5分くらい前になると、数人が列を作る光景を目にすることもあります。

4軒の中で最も人気があるのが、ホーフ・プフィステライ(Hofpfisterei)というチェーンのお店。
創業1331年で、その昔は王室御用達だった老舗です。

他のパン屋と比べると、ホーフ・プフィステライのパンの価格は10-30%ほど高いのですが、有機農法で栽培された穀物だけを使い、保存料などの添加物を一切使わないという点と、そもそもこのお店のパンは美味しい、というのが人気の理由のようです。

ほとんどのパン屋は夕方18時には閉店しますが、駅前の便利な場所にあるチェーンのパン屋では、かなりの量のパンが売れ残っています。目算では、棚の2~3割を占めるくらいのが売れ残っている印象です。一部は翌日まで残すのかな、と思っていたら、基本的には全て廃棄処分するようで、閉店後に、店員がゴミ袋にどんどんパンを捨てているのを見かけました。

一方、人気のホーフ・プフィステライは毎日、完売に近い状態。家の窓からお店の様子が見えるのですが、閉店後に廃棄される売れ残りはスーパーの買い物袋1つ分くらい。閉店間際までお客さんの流れが絶えないのですが、一方で、18時前に売り切れてしまうこともないようで、仕入れ数をとてもうまくコントロールしているという印象をうけます。


日本でもドイツでも、食料廃棄をいかに減らすか、というのは社会問題の一つです。

捨てられてしまう食料をフードバンクが回収して再分配したり、ドイツでも売れ残ったパンを発電のための燃料に、という動きがあります。もちろんそういった取り組みも、意義があり、社会的に求められている活動だと思いますが、そもそも廃棄の対象になってしまう食品の量を減らすために、企業ができることもあります。

ホーフ・プフィステライのように、きちんと美味しいものを作り、閉店間際には売り切れるくらいのペースで商売をする企業やお店が増えてほしいものです。

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